新型コロナウイルス感染症により、多くの企業が影響を受けました。中でも、対人事業である飲食業を経営する会社は大きな打撃を受けています。新型コロナウイルスまん延防止のため飲食店の営業時間の短縮やお酒の提供制限を国が要請し、経営の悪化に苦しむ経営者が後を絶ちません。しかし、あきらめないでください。新型コロナウイルス感染症に関する補助金制度を活用することで、資金の確保をすることが出来ます。
今回は飲食店が活用することのできる補助金制度について紹介していきます。
補助金とは
補助金とは、主に国が新規事業や、創業促進、さまざまな国策を促進するための手段の一つとして実施しています。
国や自治体などが何らかの政策目的の達成のために税金を使って企業や個人事業主を支援する制度になります。そのため、補助金が交付される次期も予算が決定し手からという形になりますので、大抵の場合は4月もしくは5月から公募されるものが多くあります。
補正予算が組まれる場合などは12月に補助金の二次公募などが組まれる場合などもあります。また予算の関係上人気の補助金などは期限前に終了してしまう場合もあるので、ある程度事前準備ができるための前知識なども必要になってきます。
【補助金のメリット】
・助成金よりも種類が豊富。
・支給額が助成金に比べて大きい場合が多い(数百万~数億円)。
・経費の適用範囲が広い。
【補助金の注意点】
・公募期間が短く年に数回のみという場合が多い(発表から締切まで1カ月程度)。
・予算が決まっていて倍率も高いため申請してももらえない可能性もある。(審査合格率は約40%)
・支給されるまでに時間がかかる。(支給は、約1年後の後払い)
・補助を受けられるのは事業全部または一部の費用
このように補助金には、審査と公募期間があるので、申請時には入念な準備が必要となります。また、資金面に関しても余裕を持っておくことが重要です。
コロナウイルス感染症に関して、飲食店は特例で、給付金や協力金を支給されます。
これを余裕資金として、補助金の申請に活用することもいいでしょう。
飲食店で利用できる補助金(一部給付金)
それでは、飲食店が利用できる補助金(給付金)を紹介していきます。
【事業再構築補助金】
2021年3月に新規創設された新型コロナウイルスの追加経済対策です。新分野(テイクアウト、通販等)展開や業態転換、事業・業種転換、事業再編またはこれらの取り組みを通じた規模の拡大を目指す中小企業等を支援する制度になります。今回の第3回公募からは「最低賃金枠」や「大規模賃金引上枠」が新設された他、売上高10%減少要件の対象期間が拡大するなどの変更点もあります。
・公募期間
公募開始:令和3年7月30日(金)
申請受付:令和3年8月下旬予定
応募締切:令和3年9月21日(火)18:00
・補助額
<通常枠>中小企業者等、中堅企業等ともに
【従業員数20人以下】100万円~4,000万円
【従業員数21~50人】100万円~6,000万円
【従業員数51人以上】100万円~8,000万円
<大規模賃金引上枠(第三回公募から新設)>中小企業者等、中堅企業等ともに
【従業員数101人以上】8,000万円超~1億円
※いずれも補助率は、中小企業者等が2/3(6,000万円を超える部分は1/2)、中堅企業等が1/2 (4,000万円を超える部分は1/3)
<卒業枠>中小企業者等:6,000万円超~1億円(補助率2/3)
<グローバルV字回復枠>中堅企業等:8,000万円超~1億円(補助率1/2)
<緊急事態宣言特別枠>中小企業者等(補助率3/4)、中堅企業等(補助率2/3)ともに
【従業員数5人以下】100 万円~500 万円
【従業員数6~20人】100 万円~1,000 万円
【従業員数21人以上】100万円~1,500万円
<最低賃金枠(第三回公募から新設)>中小企業者等(補助率3/4)、中堅企業等(補助率2/3)ともに
【従業員数5人以下】100 万円~500 万円
【従業員数6~20人】100 万円~1,000 万円
【従業員数21人以上】100万円~1,500万円
【通常枠の補助対象要件】※その他枠については別途要件あり
下記1、2の両方を満たすこと
1、2020年4月以降の連続する6か月間のうち、任意の3か月の合計売上高が、コロナ以前(2019年又は2020年1月~3月)の同3か月の合計売上高と比較して10%以上減少しており、2020年10月以降の連続する6か月間のうち、任意
の3か月の合計売上高が、コロナ以前(2019年又は2020年1月~3月)の同3か月の合計売上高と比較して5%以上減少していること等。
2、経済産業省が示す「事業再構築指針」に沿った3~5年の事業計画書を認定経営革新等支援機関等と共同で策定すること。
【小規模事業者持続化補助金(一般型)】
小規模事業者等が経営計画を策定して行う、販路開拓等の取り組みを支援するもの。
【応募締切】※郵送、締切日当日消印有効
6次:2021年10月1日(金)
7次:2022年2月4日(金)
【補助額】上限50万円(補助率2/3)※共同申請可能
【補助対象者】小規模事業者。商業・サービス業(宿泊業・娯楽業除く)の場合は、常時使用する従業員の数が5人以下
【補助対象費】売上拡大・地道な販路開拓にかかる経費
例)外国語版Webサイトの作成、店舗改装、チラシ作成、広告掲載など
▼小規模事業者持続化補助金
■小規模事業者持続化補助金(低感染リスク型ビジネス枠)
小規模事業者等によるポストコロナを見据えたビジネスモデル転換の取り組み費用や、感染防止対策費(消毒液購入費、換気設備導入費等)の一部を支援するもの。
【応募締切】
第3回:2021年9月8日(水)
第4回:2021年11月10日(水)
第5回:2022年1月12日(水)
第6回:2022年3月9日(水)
※補助金申請システム「jGrants」(Jグランツ)による電子申請でのみ受付
【補助額】上限100万円(補助率3/4)
【補助対象者】小規模事業者。商業・サービス業(宿泊業・娯楽業除く)の場合は、常時使用する従業員の数が5人以下
【補助対象費】対人接触機会の減少を目的とした、新たなビジネスやサービス、生産プロセスの導入等にかかる経費
例)大部屋を個室にする間仕切りの設置、オンライン予約システムの導入、対人接触機会の減少を目的としたテイクアウト・デリバリーサービスの導入、ECサイトの構築など
<緊急事態宣言再発令による特別措置>
感染防止対策費については、補助金総額の1/4(最大25万円)を上限に補助対象経費に計上することが可能だが、特別措置を適用する事業者は、補助金総額の1/2(最大50万円)へ上限が引上げられる(審査時に加点措置が行われることにより優先採択される)。
緊急事態宣言の再発令によって、2021年1月以降の月間事業収入が2019年または2020年の同月比で30%以上減少した事業者が適用対象です。
【IT導入補助金 通常枠(A・B類型)、低感染リスク型ビジネス枠(C・D類型)】
通常枠は事業上の課題やニーズに応じたITツール導入経費の一部を補助し、業務効率化や売上アップをサポートするもの。低感染リスク型ビジネス枠(C・D類型)は、ポストコロナを見据えた業務形態の非対面化に取り組む中⼩企業・小規模事業者等に対し、通常枠(A・B類型)よりも補助率を引き上げて優先的に支援するものです。
【補助対象者(A・B類型、C・D類型)】
1、飲食を含むサービス業などにおいて、資本金5,000万円、または従業員数100人の中小企業事業者
2、商業・サービス業(宿泊業・娯楽業除く)において、従業員数5人以下の小規模事業者
【補助対象経費】
ソフトウェア費、導入関連費。低感染リスク型ビジネス枠(C・D類型)は左記に加え、ハードウェアレンタル費等も対象
【補助金の上限・下限】
A類型:30万円~150万円未満、B類型:150万円~450万円以下(補助率1/2以内)
C類型:30万円~450万円以下、D類型:30万円~150万円以下(補助率2/3以内)
まとめ
以上、飲食店が活用することが出来る制度を紹介しました。
今後も飲食店の時間制限や提供制限は行われていくものと思われます。
資金繰りを少しでも楽にするためにもこういった制度を上手に活用していきましょう。
※補助金の内容は都度変わるため最新の情報は管轄のホームページでご確認よろしくお願い致します。