助成金や補助金の数はおよそ5,000種類あると言われています。その中から、自社に最適な制度を探していくのはとても大変です。制度の名称を聞いてもピンとこないものもあるでしょう。今回は、事業者向けの助成金・補助金を一覧で紹介していきます。
どのような制度があるのか参考にしてみてください。
助成金一覧
【キャリアアップ助成金】
キャリアアップ助成金とは、一言でいうと「非正規労働者」の正社員化、人材育成、処遇改善などの取組に対して助成される制度です。
最近は人手不足ということで、求人市場などでは求職者は売り手市場ともいわれていますが、実際採用する企業側としては、転職が徐々に当たり前になりつつある日本において、採用リスクを最低限にしながら優秀な人材を育成、確保していくためにこういった助成金制度を利用していきたいところです。
また雇用されている非正規労働者である、有期契約労働者(契約社員)、短時間労働者(パートタイマ―)、派遣労働者(派遣社員)なども働きなれている企業でのキャリアアップを目指すためにも企業に活用してもらいたい助成金でもあります。
キャリアアップ助成金には、目的によって7つのコースに分かれます。
【業務改善助成金】
業務改善助成金は中小企業・小規模事業者の業務の改善を国が支援し、従業員の賃金引上げを図るために設けられた制度です。
生産性向上のための設備投資(機械設備、コンサルティング導入や人材育成・教育訓練)などを行い、事業場※内の最低賃金を一定額以上引き上げた中小企業・小規模事業者に対しその設備投資などにかかった経費の一部を助成します。
【心の健康づくり計画助成金】
事業者が、メンタルヘルス対策促進員の助言・支援に基づき、心の健康
づくり計画を作成し、当該計画に基づきメンタルヘルス対策の全部又は
一部を実施した場合に、費用の助成を受けられます。
ただし、「労働者数 50 人未満の小規模事業場」又は「保有する全ての
事業場の労働者数が 50 人未満の企業」は、心の健康づくり計画の代わり
に「ストレスチェック実施計画」を策定し、ストレスチェックを実施した
場合も助成の対象になります。
【雇用調整助成金】
雇用調整助成金とは、「新型コロナウイルス感染症の影響」により、「事業活動の縮小」を余儀なくされた場合に、従業員の雇用維持を図るために、「労使間の協定」に基づき、「雇用調整(休業)」を実施する事業主に対して、休業手当などの一部を助成するものです。
また、事業主が労働者を出向させることで雇用を維持した場合も、雇用調整助成金の支給対象となります。
【重度障害者等通勤対策助成金】
重度身体障害者、知的障害者、精神障害者または通勤が特に困難と認められる身体障害者を雇い入れるか継続して雇用している事業主、またはこれらの重度障害者等を雇用している事業主が加入している事業主団体が、これらの障害者の通勤を容易にするための措置を行う場合に、その費用の一部を助成するものです。
【受動喫煙防止対策助成金】
中小企業事業主が労働者の受動喫煙を防止するために実施する喫煙専用室の設置等の事業に対し助成することにより、事業場における受動喫煙防止対策を推進していきます。
助成率・助成額は、費用の2/3(上限100万円)
ただし、喫煙専用室等の措置を講じる事業場の主たる業種が日本標準産業分類における飲食店以外の中小企業事業者の場合1/2
※申請に当たっては、喫煙専用室の設置等の事業計画の内容が技術的及び経済的な観点から妥当であることが必要です。
特に経済的な観点の目安として、単位面積当たりの助成対象経費が上限を超える場合、単位面積当たりの助成対象経費上限額までで助成金の交付が行われる場合があります
補助金一覧
【令和元年度補正予算 インバウンド需要拡大推進事業(地域消費拡大推進事業)】
地域の中小小売業・サービス業のグループ等が実施する、外国人観光客のニーズに対応した商品やサービスの多言語化等や、店舗データ分析を用いた経営の高度化による効果的な商品・サービスの提供等の推進により、地域における訪日外国人消費の拡大に寄与する取組を支援します。補助上限額は3000万円で補助率は2/3になります。
【エイジフレンドリー補助金】
エイジフレンドリー補助金は、⾼齢者が安⼼して安全に働くことができるよう、中小企業事業者による職場環境の改善等の安全衛生対策の実施に対し補助を行うもので、令和2年度に創設されました。 特に、社会福祉施設、医療保健業、旅館業や飲⾷店等の接客サービス業等では、高齢者が就労する際に利⽤者等と密に接する業務での新型コロナウイルス感染を防⽌するための設備や作業の改善も重要です。
補助上限額は3億円で業種ごとに異なります。
【既存不適合機械等更新支援補助金】
既存不適合機械等更新支援補助金事業では、国に代わって建災防が既存不適合機械等を所有する中小企業事業者等に対し、当該既存不適合機械等を最新の構造規格に適合し、かつ、構造規格の基準を超える高水準の安全性を有する機械等へ更新するための改修、買換経費(一部)に間接補助金(以下「補助金」という。)を交付します。
補助上限額は3億円で業種によって異なります。
【IT導入補助金】
・通常枠(A・B類型)
IT導入補助金は、中小企業・小規模事業者等のみなさまが自社の課題やニーズに合ったITツールを導入する経費の一部を補助することで、みなさまの業務効率化・売上アップをサポートするものです。
自社の置かれた環境から強み・弱みを認識、分析し、把握した経営課題や需要に合ったITツールを導入することで、業務効率化・売上アップといった経営力の向上・強化を図っていただくことを目的としています。
・低感染リスク型ビジネス枠(特別枠:C・D類型)
低感染リスク型ビジネス枠(特別枠:C・D類型)は、新型コロナウイルス感染症の流⾏が継続している中で、ポストコロナの状況に対応したビジネスモデルへの転換に向けて、労働生産性の向上とともに感染リスクに繋がる業務上での対人接触の機会を低減するような業務形態の非対面化に取り組む中⼩企業・小規模事業者等に対して、通常枠(A・B類型)よりも補助率を引き上げて優先的に支援するものです。
令和元年度補正のIT導入補助金の通常枠(A・B類型)とは、制度等に一部異なる点がありますのでご注意ください。
【事業承継補助金】
「事業承継補助金」は、中小企業の事業承継を円滑にするための「事業承継・世代交代集中事業」の取り組みの1つです。後継者不在によって事業継続が困難になることが見込まれる中小企業や個人事業を経営者交代やM&Aなどによって承継し、それを機に新しいチャレンジを行う際の経費を補助するものです。
【JAPANブランド育成支援事業】
JAPANブランド育成支援事業は、全国展開や海外展開、インバウンド需要の獲得のために、新商品・サービス開発や販路開拓・ブランディング等の取組を中小企業者等が行う場合や、複数の中小企業者を対象とした全国展開や海外展開、インバウンド需要の獲得のための支援を、中小企業者や地域の支援機関等が行う場合に、その経費の一部を補助することにより、地域中小企業の全国・海外への販路開拓、ブランド確立を図るとともに、地域経済の活性化及び地域中小企業の振興に寄与することを目的としています。
助成金・補助金制度一覧まとめ
以上、事業者向けの助成金・補助金制度を一覧で紹介してきました。
ここで紹介した制度は、全体のほんの一部です。この中に当てはまらなくでも心配しないでください。会社に合った制度を見つけ、申請しましょう。